ZERO ESCAPE 刻のジレンマ 感想
極限脱出シリーズ、完結作クリアしました。
「ZERO ESCAPE 刻のジレンマ」。
普段感想記事では極力ネタバレを書かないようにしているつもりですが、今回はネタバレ全開でいきます。
この物語は世界を救う物語です
極限脱出シリーズは、人類滅亡回避が目的のゲームだったりします。
一作目のころはその片鱗すらありませんが、二作目でじわじわと情報が出てくるようになり、今作では完全にそれが目的になります。
一作目、9時間9人9の扉では、命懸けのゲームを通して、参加者たちが持っている(かもしれない)超能力を発現させることが目的でした。
この時点では人類滅亡の片鱗すらなく、続きがあることを匂わせつつもきっちり完結していました。
二作目、善人シボウデスでは、一転して人類が滅亡している未来での話になります。
二作目での目的は、命懸けの状況でしか発現しない主人公が持つタイムトラベル能力を鍛え、人類滅亡前の過去に送り出すことです。
「さあ、世界を救うのです!」みたいな引きで終わるので、完結こそしませんが次作へ向けての盛り上がりは最高潮でした。
そして今作、ZERO ESCAPE 刻のジレンマ。
人類滅亡の原因となった施設で、滅亡を阻止するため命懸けのゲームに挑むことになります。
不満点はありつつも、楽しませてもらっているシリーズです。
これで完結だし、いい感じのシナリオを用意してくれているだろうと、私は期待していました。
……。
結果として、最後のエンディングにたどり着いても人類滅亡は回避できませんでした。
正確には、過去作での人類滅亡の原因は排除できますが、そのせいで別の人類滅亡の原因が生まれます。
上の画像はエンディングのセリフなんですが、なんというスッキリしない終わり方。
完全に俺たちの戦いはこれからだエンドです。
このスッキリしなさに拍車をかけるのが、最後に起こる全員死亡しかねない危機からの脱出方法。
今作ではほぼ全員がタイムトラベル能力を持っており「ゲームに参加していないころの俺たちにタイムトラベルだ!」なんですよ。
結果なにが起こったか。
事件そのものが起こっていないので、ゲーム中でさんざん自分たちを殺してくれたボスをみすみす見逃すことになります。
そして、このボスの目的が、「自分が起こした人類滅亡の未来を回避しつつ、別の人類滅亡の原因を防ごうとする人材を作ること」だったんですよね。
ボス大勝利……。
彼が主人公なら、最高のエンディングだったと思います。
未来があるエンドですし、シリーズ最終作でもなければここまで気にならなかったと思います。
謎が明らかになっていくのは楽しい
極限脱出シリーズの感想のたびに言っている気がしますが、物語の謎が解けていく展開は楽しいです。
人類滅亡はどうして起こったのか?
敵は何者なのか?
仲間の中にも正体不明なキャラクターがいて、謎周りは本当に面白いです。
ネタバレありなので、今回はメインキャラ9人それぞれの感想を書いていきたいと思います。
今作では、9人のキャラは3人ずつC、D、Qの3チームに分かれます。
最初はCチームから。
今作の全体の主人公的立ち位置に当たる、Cチームのリーダー、カルロス。
彼には秘密らしい秘密もなく、よくも悪くも主人公的立ち位置のキャラでした。
そんなカルロスとチームを組む、一作目の主人公淳平とそのヒロインの茜。
茜は一作目のエンディング時点で失踪しており、世界を救う組織の一員になってたりします。
淳平はそんな茜を見つけるため、家族も何もかもを捨てて裏社会でも有名な探偵社へ。
裏社会で見てきたものがしんど過ぎたためやさぐれてしまってますが、根っこの部分はヒロイン大好きの熱血漢で、一作目の時と変わっていませんでした。
一作目でも、ルート分岐を自由に選べるように不正していたり、結構強かな面もあるキャラだったので、修羅場で揉まれてくとこうなるのかも、という納得もありましたね。
それなりの見せ場もあり、なんだかんだで一作目が一番良かったと思っている私には嬉しい要素でした。
カルロスがプレイヤーと同じ視点で解説を受けるキャラで、淳平と茜はそんなカルロスに対する説明役と言えるかもしれません。
お次はDチームです。
二作目の主人公シグマに、同じく二作目の登場人物だったファイ。その二人と同じチームを組むダイアナ。
シグマは二作目を通して最強状態になったシグマで、タイムトラベルを繰り返した結果若い体で中身はおじいちゃんになっています。
そんなおじいちゃんが恋をして、子どもを作り、超ハイテクなオーパーツを使って過去に子どもを送り届ける。
それがDチームの物語です。
子どものうちの片方はファイで、もうひとりがボスだったりします。
また、このチームから二作目の人類滅亡に繋がるルートに分岐できます。
ボスの存在自体は二作目からほのめかされていたので、二作目でばら撒いた謎を収集していくチームですね。
ちなみに鍛えられたシグマのタイムトラベル能力は全く活躍しません。このチームの主人公はダイアナです。
最後は完全に新規キャラのみで構成されたQチーム。
完全に記憶喪失で正体不明なQ。
Qはその正体不明を利用した叙述トリック的なトリックが仕込まれてるんですが、事前の準備がなさ過ぎて意味不明なだけでした。
あえて正体不明なまま終わらせておこうと思います。
みんなのトラブルメーカーその一、エリック。
ちょっとメンタル弱めの一般人です。
しょっちゅう追い詰められて暴走します。彼に銃を持たせた瞬間、命懸けの交渉タイムの始まりです。
今起こってることが理解できない、または勝手に結論づけて暴走するので、彼を説得する=物語の謎を解くという側面があります。
いい意味で引っ掻き回して物語を前に進めてくれる人です。
みんなのトラブルメーカーその二、ミラ。
彼女は一般人と見せかけた殺人鬼です。
エリックの恋人ということになっていますが、実際は殺すために接近しただけだったりします。
ボスの協力者でもあり、今作で起きる仕掛け以外の殺人は全て彼女のせいです。
彼女はその正体が明かされるだけで、それ以外一切の設定回収がなく、最後のエンディングでも平然とした顔で仲間内にいます。
すでに全滅フラグ……。
Qチームは物語のために用意された装置としての印象が強いチームでした。
ちなみに私はエリックが好きです。そりゃ一般人がこんなことに巻き込まれたらこうなるよなあって思いながら見てました。
次はなにをやってくれるんだ、という変な期待を持たせてくれるキャラです。
まとめ
シリーズ通して、面白いんだけど消化不良が残る作品という印象でした。
一作目はきれいにまとまっていたのですが、二作目以降はスケールを大きくし過ぎて、処理しきれていない気がします。
それでもどの作品も謎解きは面白いですし、今なら安価で手に入るので、興味を持った人はぜひプレイしてほしいです。
以上、読んでくださりありがとうございました。
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